『GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』から学ぶ視聴者がアニメを切る理由
オタクと一括りに言っても一人一人の趣向は全く異なります。
まず、アニメ、マンガ、ゲーム、ラノベなどコンテンツは様々であり、アニメ専門のオタクもいれば、オンラインゲーム専門のオタクもいるのです。
オタク向けの街コンが意外とオタクトークで盛り上がらないのは趣向が異なるのに「オタク」という言葉で簡単に括ってしまっているからです。
オタク向け街コンはもっと細分化すべきなんじゃないかと思います。ゲーム好き街コン、SFアニメ好き街コン、FGO街コンとか……
とりあえず街コンの話は置いといて、
アニメに関しても当たり前ですがそれぞれの趣向が異なってきますよね。
今回はアニオタがアニメを評価するポイントや好きになる理由を分析していきたいと思います。
着目する点は「どこで視聴者はアニメを切るのか」にしたいと思います。
なぜ「アニメを切るという」減点方式なのかと言うと、アニオタは量産されたアニメの中から傑作を探しているので粗悪な作品は極力見ずに好みの作品を見ることに時間を費やしたいと考える傾向があるからです。
そして、先日『GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』を視聴しました。
放送当時から賛否両論があるアニメであるため折角なのでこの作品を参考にして行きたいと思います。
好みの作風、世界観であるか
学園ラブコメ、SF、異世界転生ものなどそれぞれある程度趣向があります。
なので好みじゃない作風なら人気な作品でも途中でしんどくなって切ってしまうこともありますよね。
僕も純粋な乙女アニメはなかなか視聴が続かないです。『Free!』とかストーリーが面白いものは全然見るんですけど、、、
ちなみに『GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』はかなり好みでした。異世界ものは世界観も興味深くて好きですし、ハーレム要素も大好物です。
あとは何と言っても自衛隊がかっこいい!ゴジラ世代なのでやっぱり興奮します。
でもまあ単純にハーレムものが苦手とか戦って人が死ぬのも無理って人にはオススメできない作品だと思います。
後述しますが、この作品は人が死ぬことに違和感を覚えることが多いので特にそう言うことが苦手な方には厳しいかも知れないです。
つまり、単純に「このアニメが面白い!」と言ってもそれぞれのアニメに特徴があってもちろん合わない人が一定数いるんです。
僕を含め作品の良いところを自分視点で語ってマウントを取り合っている愚かなアニオタさんたちは相手の好みとか好きなポイントとか尊重して話ができたらいいんじゃないですかね(知らんけど)
感情移入できるか
これがスーパー重要です。
『GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』を例にとってみますが、この作品には感情移入できる部分が少ないです。
再三言われてきたことですが、この作品のキャラクターは人や人族以外の者を殺したり、殺されているところを目撃しても命を悼む描写がほとんどありません。
第1話からいきなり銀座に現れた帝国軍の兵士を主人公の伊丹はナイフで殺めます。
伊丹が自衛隊だからと言って以前戦争に赴いてたような描写もないし人を殺したことがある描写もありません。
なのに伊丹は人を助ける為とはいえ何の躊躇もなく敵兵にナイフを突き刺します。
見ていて「えっ?」って思いました。
爽快な展開のなかにドヨーンとした違和感が残り続けることになります。
一応伊丹の過去話によるとパーソナル障害を患っていたらしいのでそのために感情の欠損があるのではと考えられますが、それを考慮してもイマイチ引っかかるシーンでした。
また、第3話でエルフの村が炎龍に襲われ、生き残ったテュカを自衛隊が救出するシーンがあります。
テュカを救出した後、伊丹たちが本物のエルフを見れて興奮するシーンがあるんですが、ちょっと考えてみると100名以上のエルフが死んだはずなのにその現場で呑気に話してるんです。
不謹慎も甚だしいんですがそれよりもこの人たちサイコパスなんじゃないかと怖くなりました。
そしてこの作品ではこう言うことが永遠に続きます。自衛隊員がいくら敵を殺そうとも命を悼むシーンはありません。よく見たらちょっとあったりしますが無いに等しいです。
つまりこの作品の欠点は感情移入ができないところなのです。
「なんとなくこの作品のキャラクター感情移入できないわ!」って思うことって多々あるんですが『GATE』ではそれがわかりやすいです。
自分がもしその立場なら当然に思う感情や感覚が芽生えないとやっぱり人は違和感を覚えるんです。
だからキャラの人間味は物語には必須なんじゃないかと思っています。
余談ですが、この自衛隊員サイコパス要素を込みにしても僕は『GATE』が好きです。でもこの要素の所為で人にはオススメしたくない作品になりました。
『GATE 』が非常に面白い作品なのに特別に評価がされていないのはこの欠点があるからだと考えます。
展開に矛盾がないか
「ここおかしくない?」って思うと一気に話に入り込めなくなることがあります。
これが酷いと途中で視聴を辞める原因になりかねません。
『GATE 』は第1話でいきなり感じました。
1話の始めに銀座にGATE が開くんですけど「何でいきなり帝国軍が攻撃してきたの?」って思ってしまったんです。
確かに物語を進めるには必要な攻撃だったと思います。
ですが、未知の世界の相手にいきなり攻撃したりすることありますか?
まずは交渉したり、相手の力を調べたりするべきだと思うんです。というか普通そうしますよね。
でも何でか帝国軍はいきなり日本を攻撃して返り討ちに合います。相手のことをもっと調べていたらこんなことにはならなかったはずです。
作中では国王や元老院の人たちもある程度知性のある人物に描かれているのになんであんな無謀な行動をさせたのか納得がいきません。
これ以外にも結構な数「ここでこの行動するのおかしくない?」って思うシーンがありました。
まあこの作品の物語の流れ上仕方ない矛盾なのかも知れませんね。
こういう戦いやこう言う戦闘シーンを描きたいから、無理矢理辻褄合わせている感があったような気がします。
ボロクソに言ってしまったような気がしますが、この作品はキャラクターや世界観、シナリオが非常にクオリティが高く面白いので、矛盾が気になっても許せるレベルでした。
御都合主義による矛盾は程々にですね。
魅力的なキャラがいるか
キャラクター重視の作品にありがちですが、魅力的なキャラがいればそれでオールオッケー!ってことです。
『GATE 』で言うと魅力的なキャラが非常に多いです。
正直、この作品はここがかなり強かった気がしますね。
ロォリィ、レレイ、テュカの3人がかなり魅力的だし主人公の伊丹もやる気ないけどスペック高い系オタク、栗林や黒川も可愛い。
なかなか粒ぞろいでしたね。
確かにアニメを見る理由が好きなキャラを見る為のときって結構あります。
逆に好きなキャラクターがいないとどんなに展開が面白くても意外とキツいです。
オタクに受ける作品を作るにはやはりキャラクターの完成度が重要ですね。
リアリティに統一性があるか
アニメなのでリアリティが無くても創作だからという理由で許容可能です。
しかし、リアリティの水準を統一していただかないと一気に冷めることがあります。
例えば日常パートでヒロインをからかった主人公がヒロインの魔法で黒焦げにされても生きてるのに、戦闘シーンでヒロインが魔法で敵を殺しまくってたらどういうことだよってなる現象です。
例えが下手な気がしますけどご了承ください。
『GATE 』でリアリティの統一性が損なわれている部分は特に見受けられなかったです。
でも強いて言うなら、
僕は自衛隊の戦闘機が炎龍の戦闘能力を冷静に解析するシーンがあるんですけど、本当に異世界に行ったらやってそうな描写で妙にリアリティがあって好きです。
こう言う自衛隊の描き方はリアリティがあって非常にクオリティが高いんですけど、
先ほど言ったように自衛隊員の心情が全体的におかしくてリアリティを感じられなかったです。
自衛隊の異世界での行動の表現は非常にリアルなのに彼らの心の動きをリアルに表現できていないところは少し違和感がありました。
好きなアニメ制作会社、監督、脚本家、声優が関わっているか
まあこれはブランドとか趣向に入るのかなと思います。
ふつうに好きな声優出てるし見るぞ!ってオタクは多いですね。
まとめ
『GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』この作品は良いところと悪いところが極端で非常に尖った作品でした。だからこそ議論しがいがあって面白いんだと思います。
個人的な感想ですがこの作品のテンポ感や爽やかさは大好きですね。かなりの神アニメだと思っています。
まあ先ほど書いたサイコパス自衛隊員の所為で人にはあまり薦めたくない作品ですけどね、、、
とりあえずアニメの評価について見てきましたが、
結論としては、
「こんな分析しながらオレわかってますよ感を出してマウントを取ってる暇があるなら好きなアニメを好きなように見るべき」
ってことですね。
完